健康診断の数値の見方読み方


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健康診断 肝機能検査 ALTまたはGPT

 

ALT (Alanine transaminase)又はGPT ( Glutamic Pyruvate Transaminase )

 

AL又はGPTの基準値 男性「10〜37IU/L」 女性「8〜25IU/L」
(日本人間ドック学会と健康保険組合連合会の150万人の調査結果を反映した基準値)

 

ALT(GPT)は肝臓内の胆管でつくられる酵素のひとつですが、 AST(GOT)と同じ種類の酵素で、大部分の臓器細胞に存在しています。

 

肝臓に含まれているAST(GOT)は胆汁中に排出されるので胆道のどこかが障害されて胆汁がスムーズに流れでなくなると胆汁うっ滞を起こすと血液中に増加します。胆汁うっ滞では肝機能の低下を招きます。

 

ALT(GPT)もAST(GOT)と同様に骨や腸などにも存在していますので、これらの障害でも血中に排出されて値が高くなります。子どもでは骨の成長のためALT(GPT)の値が高くなります。

 

また、AST(GOT)との大きな違いは、肝臓に分布している比率が最も高く、肝臓に障害が発生すると、特異的にALT(GPT)の値が上昇します。

 

ASTとALTが、共に100 〜500 IU/L(500 IU/L以上)の高い値の場合やALTが単独で高い値の場合は、急激な肝臓疾患の可能性があり、急性肝炎、非アルコール性脂肪肝や慢性肝炎、アルコール性肝障害などの疾患が疑われます。

 

また、ALT, AST ともに 150 単位以下の軽い上昇が長期間にわたって見られる場合は、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんなどの疾患が疑われます。

 

更に、ASTとALTのどちらか片方が基準値を上回っている場合でも、アルコール性脂肪肝、心筋梗塞、筋ジストロフィー、多発性筋炎など疾患が疑われます。


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