腸内フローラの基礎知識

悪玉菌の大腸菌には消化吸収を助ける働きも

 

大腸菌も体に有益な働き 
 
悪玉菌の代表格のようにいわれている大腸菌ですが、実は私たちが食べた物の消化吸収を助けてくれる働きがある大切な腸内細菌なのです。
 
大腸菌は様々な種類が発見されていますが、病原性の大腸菌O157は悪玉菌としてあまりにも有名になりました。
 
しかし、大腸菌は悪いものばかりではないのです。
 
食べた物は胃腸の消化酵素で消化されますが、酵素だけでは消化しきれないため腸内細菌の力が必要となります。
 
大腸菌でしか消化することのできない栄養素もあり大腸菌は私たちの腸内にはなくてはならない細菌なのです。大腸菌が無くなれば私達の体に何らかの支障が生じると考えられています。
 
高脂肪で高タンパクの欧米食に片寄ったり、強いストレスを抱え込むと腸内環境が悪化して大腸菌が急激に増殖して有害な成分を産生します。
 
腸内細菌が悪になるのも善になるのも私たち宿主次第なのです。

 

 

 
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赤ちゃんも細菌に触れて成長する

 

赤ちゃんも細菌に触れて腸内細菌が構成される 

 

母体にいる赤ちゃんは無菌状態ですが、産道を通るときに細菌と接して最初の細菌を保有します。
 
新生児になって母乳や人との触れ合いでさまざまな細菌と接して種類や数を増やしていきます。
 
新生児の腸内フローラには普通食を消化できる細菌が存在していません。最初は胃腸の消化酵素で容易に消化できる母乳を与えます。
 
その後、離乳期に離乳食に変えていきますがミルクや離乳食にも細菌が含まれていますので徐々に体内に細菌が増え子どもから大人に成長するのに従いそれぞれ独自の腸内フローラを形成します。

 

清潔すぎる環境からアレルギー疾患が急増

 

昔から人は細菌と共生してきました。
 
しかし近年は清潔であることを一番に考え細菌を極力遠ざけてきました。
 
その結果としてアレルギー疾患が急増したことが最新の研究で明らかになってきました。
 
○幼いときに家畜や動物とふれあうと体の免疫機能が向上してアレルギー疾患が少なくなることがわかりました。
 
○食洗機を使っている家庭ではアレルギー疾患の子どもが多い事がわかっています。
 
○田舎の自然な環境で育った子どもは花粉症が少ない傾向があります。
 
○幼い頃にピーナッツを食べた子どもはピーナッツアレルギーを起こさないことがわかっています。

 

細菌との共存共栄の考え方が大切

 

周囲を清潔にすることで健康的かつ快適に過ごせると考えた結果、さまざまな細菌をばい菌と称して極力接しない環境をつくってきました。
 
しかし、幼い時に様々な細菌と接することで、その細菌ごとの免疫が形成されて大人になってもアレルギー疾患を起こさない事がわかっています。
 
大腸菌に対しても減らそう無くそうと悪い部分だけを見るのではなく、有益な働きに感謝しつつ体内に存在することを意識して共存共栄の考え方が重要だと考えられています。

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