二次胆汁酸を抑える食べ物
悪玉の腸内細菌によって産生される「二次胆汁酸」は大腸がんの原因となる物質であることが明らかにされています。
このサイトでは、「二次胆汁酸」が発生する仕組みと食べ物、「二次胆汁酸」の発生を予防するための食べ物をご紹介します。
牛肉や豚肉などの動物性脂肪を食べると脂肪の分解や吸収をするために十二指腸などから消化ホルモンが分泌され刺激受けた肝臓から胆汁が腸に分泌されます。
この胆汁に含まれている物質が一次胆汁酸です。
小腸に分泌された一次胆汁酸の一部が大腸に流れ込みますが腸内フローラのバランスが悪く悪玉菌が優位な状態では悪玉菌の作用により一次胆汁酸が二次胆汁酸に変化することがわかっています。
この二次胆汁酸は大腸がんを引き起こすきっかけになる物質といわれています。
ポリフェノールが二次胆汁酸の発生を抑える
広島大学の加藤範久教授のグループと株会社あじかんとの共同研究でラットを用いた実験で「カフェ酸やクルクミン、エラグ酸、カテキン」などのポリフェノールの摂取群では摂取していない群に比べて大腸がんの危険因子の二次胆汁酸の発生量が約半分に抑えられていることを突き止めたと報告しています。
肉類に含まれている動物性タンパク質は悪玉菌のエサとなり発がん物質のフェノールや硫化水素、アミンなどたくさんの有害物を発生させます。
さらに悪玉菌の活性化でインドールやスカトールなどの悪臭を発するガスを産生するので悪臭の強いおならの原因になります。
二次胆汁酸をつくらない乳酸菌
おならの悪臭が強い人は腸内環境が悪玉菌優位になっている事が考えられますので、善玉菌が増えるような食生活に切り替えましょう。
ヤクルトの研究では「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」や「ビフィドバクテリウム・ブレーベ・ヤクルト株」は二次胆汁酸をつくらない事が明らかにされています。
欧米化した食事の見直しが必要
日本の大腸がんの死亡率は、がん死亡全体で女性が1位、男性が3位を占め50年前と比べて2倍以上に増加しています。
原因のひとつに動物性の脂肪の摂取量が増えたことが指摘されています。
高脂肪食は大腸内に二次胆汁酸を増加させて胆石を引き起こしたり酸化ストレスの発生やDNAを傷つけて大腸がんや大腸炎を起こす原因にもなっていると考えられています。
二次胆汁酸を抑える食べ物
ビフィズス菌のエサになる食べ物はビフィズス菌を活性化するとともに腸内を弱酸性に保ちます。
この腸内環境で悪玉菌の活動を抑えれば大腸がんの原因の二次胆汁酸の合成が抑制されます。
機能食品 |
食べ物 |
オリゴ糖 | 玉ネギ、ゴボウ、白ネギ、アスパラガス |
食物繊維 | 海藻、こんにゃく、納豆、野菜、きのこ |
乳酸菌 | チーズ、ヨーグルト、みそ、漬物、甘酒 |
酵母菌 | ワイン、日本酒 |
こうじ菌 | みそ、しょうゆ、米酢 |
納豆菌 | 納豆 |
★欧米の研究ではカルシウムが大腸がん発生のリスクを低下する可能性が示唆されています。カルシウムは大腸がんの原因になる二次胆汁酸を吸着して排出する機能があります。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、日本人はカルシウムが不足であることが報告されています。カルシウムも積極的に摂取するように心がけましょう。
「二次胆汁酸」と大腸がんの関係についてご紹介をいたしましたが、やはり毎日の食事は健康維持のために非常に大切です。
以上のように、肉類にかたよった食生活は二次胆汁酸の産生を促進させて健康をそこなう可能性があります。
日々のバランスのとれた食生活が健康のもとになりますので、ぜひ継続してください。
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