糖尿病辞典

バイオメトロノームとは

 

バイオメトロノームとは 
 
最新の医療でも糖尿病の完治を克服したとはいえません。
 
糖尿病患者は増加が続いているものの、糖尿病予備軍は減少に反転しました。
 
これはひとえに、メタボリックシンドローム(メタボ)を中心とした特定検診制度の普及と徹底があります。
 
メタボ検診の意義は、糖尿病、高血圧、高脂血症(脂質代謝異常症)、高尿酸血症といった疾患や動脈硬化のリスクファクターを知ることです。
 
動脈硬化は、進行すれば脳梗塞や心筋梗塞などの生命にかかわる疾患につながります。

 

メタボ検診の普及で糖尿病予備軍は減少傾向になったものの、糖尿病患者を減少させるまでには至っていません。
 
この様な背景で熊本大学で研究開発されたのが、医療機器「バイオメトロノーム」です。
 
例えば、難病などの新薬は巨額な研究費用が投じられて開発されます。
 
しかし、新薬が開発されても高額な医療費がかかるため、その恩恵を受けられる患者は限られます。また、長期に服用した場合の副作用は未知数であるなどの問題もあります。
 
そこで病気を予防する観点が重要になります。
 
熊本大学が開発した「バイオメトロノーム」は、国の医療費の増大の原因の一つになっている生活習慣病の予防の新たな治療法として注目されています。
 
「バイオメトロノーム」とは「バイオ(bio)=生体」、「メトロノーム(metronome)=リズムを整える」を組み合わせた造語で「生体のリズムを整える治療機器」です。
 
お腹と背中の2ヶ所にパットを貼り、パットの温度を42℃に設定して微弱電流を流すことで刺激を加え内臓脂肪を減少させる医療機器なのです。
 
内臓脂肪の増加はメタボの原因になり、糖尿病や高血圧、心臓病などの生活習慣病を招くことは広く知られています。
 
臨床試験では、すい臓からのインシュリン分泌や腎機能の改善などが確認されています。
 
患者の立場から早い段階での実用化が望まれています。
 
臨床試験ではバイオメトロノームのパットをお腹と背中の2ヶ所にセットして約1時間、週に4回、3ヶ月程度継続することで血糖値が下がる効果が得られています。
 
バイオメトロノームは、植物を使った実験で冬の厳しい気候環境でも植物の成長を促したことが評価されて2012年に「課題解決型医療機器開発事業」に選ばれています。
 
熊本大学を中心とした研究グループは、このバイオメトロノームを2017年には製品化し販売を計画しています。
 
バイオメトロノームの効果と安全性が実証されて、家庭に普及すれば気軽に生活習慣病を予防できる時代が来るかもしれません。

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