特定の腸内細菌が子どもの性格に影響
腸内細菌が、子ども性格に影響していることがわかりました。
むかし、子どもの機嫌が悪く改善しない時に「悪い虫が住みついている」といわれていました。
この「悪い虫」とは、腸内の悪玉菌の事だったのでしょう。
最近の研究で、腸内細菌は「がんや糖尿病、肥満などの生活習慣病やお肌のシワの予防、うつなどの精神疾患」にも影響していることも明らかになっています。
NHKスペシャルの「腸内フローラ」の放送で、活動が活発なマウスの腸内フローラを不活発で臆病なマウスの腸に移植し、不活発なマウスが活発になることが紹介されました。
無菌の環境で育て細菌を全く持たないマウスは、腸内細菌を持つマウスに比べ、非社会的な行動が多くなり、孤立しがちになるという研究結果が報告されました。
この実験を裏付ける内容の研究事例がアメリカの医学誌に掲載されています。
オハイオ州立大学の研究で、子どもの性格に腸内細菌が影響している可能性があることが報告されています。
日本でも、過去に須藤信行氏らの研究グループにより、ビフィズス菌を与えたマウスをチューブに閉じ込めた場合、ビフィズス菌を与えなかったマウスに比べ、ストレスを抑えられる事を突き止めています。
特定の腸内細菌が性格に関与
今回の研究では、子どもを対象して、ある特定の腸内細菌の豊かさと多様性が、「ポジティブ」「好奇心が旺盛」「社交的」「衝動的」などの性格と関連している傾向が確認されました。
仮説として、活発な子どもは、内気な子どもに比較して、ストレスホルモンの分泌が少ないため、腸内の有益な細菌への影響が少ないと考えられています。
また、腸内細菌にストレスホルモンの分泌を調整する作用があり、その細菌の数が多く、しかも働きが活発な子どもは、問題に直面してもストレスを感じにくい可能性もあると結論付けています。
慢性疾患を子どもの時に予防する
オハイオ州立大学の研究者らは、ストレスホルモンは、肥満や喘息、アレルギーなどの慢性疾患を引き起こすものと同じである事を突き止めました。
今後さらに腸内細菌の解析がすすめば、これらの病気を幼い時から予防できる可能性があると期待しています。
食べ物で腸内細菌は変化する
住んでいる地域によって腸内細菌のパターンに特徴があることがわかっています。
大きく3つのパターンに分類され、これをエンテロタイプといいます。
エンテロタイプは、人種や遺伝よりも習慣的に食べているものに関係しているといわれています。
また、健康な人の糞便を大腸に炎症がある患者に移植すると劇的に回復することが分かり、欧米では治療として普及しつつあります。
今後さらに研究が進み、細菌を使った治療が主流になる日が来るかもしれません。
子どもを明るく笑顔にするには食べ物が影響しているかもしれません。腸内環境を改善する食べ物をご紹介しています。
是非ともご参考にしてください。
腸内フローラを整え改善させる食品食材
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