遺伝子検査の問題点・課題、心のケアも必要
ハリウッド女優の「アンジェリーナ・ジョリー」が遺伝子検査で乳がんのリスクが高いことが分かり予防のために乳房を切除したのは記憶に新しいところですが、これをきっかけに乳ガンの遺伝子検査に注目が集まっています。
また、最近テレビのニュースやインターネットなどでも「遺伝子検査」を見聞きするようになりました。
少し前のことですが、60年前に東京の産婦人科で赤ちゃんの取り違えがあったことが、遺伝子検査で確認されるというニュースもありました。
「太りやすさ」「お肌の質」の遺伝子検査で分かる
この遺伝子検査は、急速に普及しており生活習慣病のリスク判定や、アルコールの強さを表す「アルコールの代謝」、「太りやすさ」、「お肌の質」など広い範囲に及び、短時間かつ数千円から数万円程度の低料金でその結果を知ることができます。
そして、検査結果に基づき生活習慣や化粧品、サプリメントなどを見直し早めのケアをしようというものです。
検査方法も採血の必要はなく、口腔の粘膜を綿棒で採る方法や髪の毛、爪など簡易に調べることが出来ます。
遺伝子検査から個々人の病気の予防法まで判定
口腔の粘膜を綿棒で採り検査機関に郵便で送り、検査では検体を薬につけて色の変化を判別します。
この結果を元に2万人以上のデータと比較することで、生活習慣病などのリスクの判定を行います。
そして、約3週間後に被験者の元に検査結果が届きますが、検査結果の内容は、生活習慣病の因子である「高血圧」や「血栓」、「動脈硬化」などリスクの程度が判定されています。
例えば、「血栓や高血糖のリスクは平均よりも高いのに対して、動脈硬化のリスクは低いと判定しました」といったように。
例えば、「あなたの遺伝子を調べたところ、血栓の予防に、フコイダンやポリアミンを積極的に摂取しましょう」というアドバイスが送られてきます。
「遺伝子検査で貴方に相応しいダイエット」
「美肌のカギは、あなたの遺伝子に」
などのキャッチコピーで女性の興味を引き、肌のシミやシワの出やすさなどを分析する検査も行っています。
従来は、医療機関を通して遺伝子の検査機関が調べていましたが、最近では興味や関心を抱いた個人が、インターネット上の代理店などを通じて遺伝子検査会社に申し込むスタイルに変わりつつあります。
二箇所の検査機関の遺伝子検査結果が異なった例
病院での遺伝子検査でがんの早期診断をしたところ、異常なしと判定されました。
その後、別の病院で肺がんと診断されてしまったケースがあります。
また、遺伝子検査により二箇所の検査機関に同時に潜在能力を調べてもらったところ、それぞれ別の検査結果が出たというケースもあります。
また、遺伝子検査を受けたあとに高額なサービスを勧められて困惑した方もいます。
医療機関の専門家は、「遺伝子検査の正しいもの、科学的根拠に乏しいもの、悪質なものを見分けるのは専門家でも難しい。検査の利用者は慎重な対応が求められる。遺伝子検査の業界のルール、指標になる枠組み作りが求められている。」と述べています。
このように日本では、まだ法律が整備されておらず野放し状態となっており、ようやく最近になって経済産業省で遺伝子検査ビジネスの現状にあわせた、新たなルール作りが始まったばかりです。
検査結果に対して心のケアも必要
仮に、検査結果の信頼性が上がり、法の整備も整ったとしても、被験者やその家族がその結果をいかに受け止め、どう利用するかが大きな課題となりそうです。
個人情報を保護したサポート体制なども必要になってくると考えられます。
遺伝子検査は、興味本位で受けるのではなく、思いもよらない結果が出た場合などの対応などについて個々人が慎重に考えて利用することが重要だと云えます。
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