おせちに込める願い、歴史的におせちはお祝いの料理
昔から季節の変わり目や節日のことを御節といって、これまでの感謝や今後の健康や発展を願ってお祝いをしたことが始まりで、お祝いの席に出される料理のことを御節料理(おせち料理)と呼ばれていました。
現在、おせちと言えば正月のみの料理のことで、大晦日までに作り明けて新年のお祝いの膳となっています。
歴史的にも伝統的に伝わるおせち料理は、祝い肴三種と雑煮と煮しめ、それに一年の健康を願って作られるお屠蘇でした。
おせちは重箱に詰められ重ねられております。
重箱の中は縁起をかついだめでたい食べ物を詰めますが、詰めた重箱を何段にも重ねて、めでたさを更に「重ねる」という意味があります。
雑煮も一杯だけ召し上がるよりも何倍もおかわりをした方が縁起がよいとされていました。
現在では、美味しさ、新鮮さや豪華さを重視する傾向となったため冷凍や真空パックなどの保存技術により色々な種類のおせちが販売されるようになりました。
デパートやスーパーはもとより、インターネットショップで宅配サービスを前提としたおせち料理を気軽に注文するひとも増えております。
おせちには地方色があり、大きく分けて関東風と関西風があります。
関東風のおせち料理は、伊勢えびの焼き物、黒豆、肴、お菓子、酢の物、数の子、鯛の焼き物、トビコ、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻き、蒲鉾、煮しめ、田作り、えびの煮しめなどです。
関西風では、豊作を願ってたたき牛蒡が詰めてあります。
日本の礼儀作法の素晴らしい伝統
日本には古くから伝わる歴史的な作法があります。
小さいころは親に度々注意されました。
(おはしの取り方)
・お箸を手に取るときは右手で箸の中ほどを上から取って左手を下から添えて右手を上から下へ回すようにして下から持ち直します。
・使う部分は「箸先五分」と言われ、箸先できれいにつまむようにします。箸先をあまり多くぬらしたり汚したりしないように注意します。
(やってはいけないお箸の使い方)
・寄せ箸 : 料理の入った器などをお箸で引き寄せたり押しやったりする。
・ためし箸 : 料理の一つ一つを食べあらす。
・迷い箸 : お箸を持ったままどの料理を取るかと料理の上を迷う。
・移り箸 : 御飯を食べずに連続して副食を食べる。
・そら箸 : 一度箸をつけながら食べずに箸を引く。
・こじ箸 : 器の中の料理を箸で探る。
・指し箸 : お箸で人や物を指す。
・ねぶり箸 : 箸についた食べ物をなめる。
・刺し箸 : 料理に箸をつきさす。
(吸い物の作法)
・吸い物腕は左手を腕に添えて右手を蓋にかけ、手前から向こうに静かにに回すように蓋を開ける。
・ふたは上向きにしてお椀の右側に置く。
・椀は膳から直接口に運ぶのではなく、一度膝元に寄せ口元に運ぶ。
・箸で具材を抑えて、音を立てないようにお椀に口を付けて汁を飲む。
・音を立て顔が隠れるほどお椀をあおって飲まないようにする。
おせちは冷凍で通販
冷凍おせちについて、分かっているようで以外に知らない人が多いのではないかとおもいます。
冷凍おせちは普通箱に詰めた状態で冷凍されており、食べる前に常温にて自然解凍させて食べるのが普通のようです。
小分けされているおせちもあります。
おせちのタイプには冷凍おせちや生おせち、真空パックおせちなどがあるようです。
当然に生おせちは長持ちしませんし、真空パックであればかなり日持ちは良いです。
冷凍おせちは、製造過程でおせちを作ってすぐに急速冷凍しますので、鮮度や味が保存できる最大のメリットがあります。
冷凍技術も高度なテクニックを使えるようになり、冷凍のおせちを通販で買う人が多くなっている要因といえるでしょう。
歴史的に縁起物を使用しています
「おせち」といえば昭和20〜30年代までは殆どの家庭で暮れに作り、正月に家族で食べ、来客が見えたときに食べてもらっていた。
それぞれ地方の特産物を使って作ってそれぞれの特色をだしていた。
今は「おせち」はそれぞれの家庭で作る習慣は殆どなくなり、買う人が増えてきました。
「和風おせち」は日持ちするように作ります。
その分手が込んでいて、それぞれの料理に健康や長寿、発展などの願いが込められています。
料理の内容として、黒豆、紅白かまぼこ、栗きんとん、田作り、数の子、伊達巻き、カブの菊花、五色なます、サバの昆布巻き、梅ニンジン、筑前煮、車えびの塩焼き、牛肉の牛蒡巻きなどが代表的なものです。
「洋風おせち」
洋風おせちは、和風おせちより比較的簡単にできます。
ビールやワインやシャンパンを飲まれる方には洋風おせちがおつまみとして良いでしょう。
洋風おせちは皿に綺麗に盛り付けられて見た目も豪華になります。
主な料理は、ローストチキン、スモークサーモン、クリームチーズ、生ハムとカブのマリネ、クリームチーズとりんごのきんとんなどがあります。
「中華おせち」
中華おせちは、それぞれの料理に意味が込められており、この点では和風おせちと同じです。
洋風おせちより調理時間がかかりますが、和風おせちに飽きた方には良いと思います。料理は豚肉の甘露煮、ホタテの醤油煮、海老チリソース、アワビの醤油煮、カニ爪の揚げ物、シイタケの煮物、くらげの冷菜、焼き豚などでしょうか。
歴史的に縁起を担いだ食べ物
歴史的に「おせち」料理の意味するところは
元気で健康に新年を迎えておめでたいという意味と、
これからの一年を引き続き健康で発展がありますようにという願いを込めてめでたさを「重ねる」という意味で重箱を重ねて作っています。
基本の段数は四段ですが、四段目は漢数字の「四」を使わず「与」の段として「四」は縁起を担いで使っておりません。
それぞれの段の料理は決められており、上から一の重から下へ与の重まで順番があります。
一の重には田作りや黒豆、数の子を入れます。
二の重には伊達巻きやきんとんの様な甘いものを入れます。
三の重には海老や魚などの焼き物などの海の幸を入れます。
一番下の与の重には野菜類の煮物などの山菜の幸をいれます。
食材の意味としては、洒落が入って意味が分かると楽しいものです。
・「黒豆」はいつまでも豆に働き健康に暮らせるようにとの願いで。
・「数の子」は子孫繁栄することを願って。
・「田作り」は豊作でありますようにとの願いで。
・「海老」は腰が曲がっても元気でいられますようにとの願いで。
・「昆布巻き」は「よろこんぶ」でおなじみのよろこびが多き年となりますように。
・「紅白なます」は、おめでたい事が多く平和でありますように。
以上のように「おせち」は一年の願いをこめて作り食べる料理です。
ご家族で食べながらこの様な由来なども話題にして楽しくお正月をお過ごしください。