水虫の治療と対策・予防「しつこい白癬菌を退治して完治する方法」

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高湿度が大好きなカビの一種で表皮に侵入

 

水虫の正体 
 
水虫は白癬菌と呼ばれるカビの一種です。
 
人の病気を引き起こすカビは200種類ともいわれていますが、その中で20種類程度が白癬菌の仲間です。
 
水虫の原因になっている白癬菌の大部分が「トリコフィトン・ルブルム」と「トリコフィトン・メンタグロフィテス」の2種類です。
 
白癬菌は平均気温が18℃以上、湿度が80%以上になると活発に増殖します。
 
水虫は人の皮膚や爪、毛に侵入して寄生し増殖して毒素を排出するため、かゆみや水泡などの症状を起こします。

 

水虫を放置しても自然に完治することなく病巣は次第に広がります。

 

例えば、足の土踏まずに感染した白癬菌は「小水疱型」となり、かかとの角質層に侵入すると「角質増殖型」、足指の間などに広がると「趾間型」、爪の中にも侵入して治りにくい「爪白癬」になる恐れがあります。
 
また、足の水虫をかいた手で体を触ると体部白癬(ゼニたむし)、股間を触れば「陰股部白癬(いんきんたむし)」、髪の毛に感染すれば頭部白癬(しらくも)になる可能性があります。
 
水虫の感染力はそれほど強くはありませんが放置するとひそかに広がり治りにくくなります。
 
水虫が原因となって細菌感染を引き起こして足が腫れて歩けなくなった人もいます。
 
更に糖尿病の持病がある方は末端への血行が悪く免疫力が低下して水虫が悪化し足の指先がエソを起こし切断をせざるを得な場合もあります。

 

 

白癬菌は角質層などのケラチンを食べる

 

角質層などのケラチンを食べる 

 

白癬菌はウイルスや細菌のように生きた細胞には侵入できないため、皮膚の角質層や髪の毛、爪などに侵入して活動します。
 
角質層や爪、髪の毛にはケラチンと呼ばれる硬いタンパク質で構成されています。
 
ケラチンは皮膚がアカに変質してはがれ落ちる前の死んだ細胞の主な成分です。
 
本来、このケラチンが熱や異物などの侵入を防いでいます。
 
しかし、白癬菌はケラチンを分解する酵素ケラチナーゼを持っておりケラチンを栄養素にしながら活動しています。
 
この特徴から白癬菌のことをケラチン好性真菌とも呼ばれています。

 

 

白癬菌は生き延びる

 

白癬菌は生き延びる 

 

足の角質層は新陳代謝によって入れ替わります。
 
この時に白癬菌も一緒にはがれて宙を舞って床に落ちます。
 
家族など共同生活をしている環境では舞い落ちた白癬菌に感染する可能性が高くなります。
 
人から離れた白癬菌は単体では短時間で死滅しますが、角質層と湿気があれば数ヵ月も生き延びて人に感染する事ができます。
 
よって、家族の一人が水虫に感染すると他の家族にも感染する可能性が高くなります。
 
家庭の場合、白癬菌はバスマットやスリッパ、カーペットに多く棲息していますので家庭でうつされるケースが一番多いのです。
 

 

高温多湿が好きな白癬菌

 

高温多湿が好きな白癬菌 

 

白癬菌の正体はカビですので高温多湿の環境を好みます。
 
梅雨に食べ物にカビが生えやすくなる事からも想像できます。
 
水虫の中でも足の水虫である足白癬の患者が多い要因は高温多湿の足の環境にあります。
 
人の足は一日に200ミリリットルもの汗をかくといわれていますが、梅雨には靴の中の湿度が100%近くになりますので白癬菌にとっては絶好の住環境といえます。
 
空気が乾燥した寒い冬場は白癬菌の活動が低下します。
 
梅雨から夏場にかけて、ひどかったかゆみも冬になるとおさまるため完治したと勘違いする人も多いのです。
 
白癬菌は低温になると冬眠状態になり死滅することはありません。
 
白癬菌は気温が高くなるのを待っています。
 
そして、気温が高くなる5月くらいに白癬菌の活動が活発になり菌が排出する酵素や毒素に皮膚が反応して炎症が起こってかゆみが再発します。

 

皮膚のオーバーターンでを利用して治療

 

オーバーターンでを利用して治療 

 

人の皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の三重の構造になっていますが白癬菌が寄生するのは表皮です。
 
表皮は角質層、顆粒層、有棘層、基底層の四重の構造になっています。
 
基底層で作られた細胞は約1ヶ月かけて押し上げられてアカとなって体外に落ちます。
 
これをターンオーバーと言いますがこのターンオーバーを利用して治療を進めることになります。

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