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新型水虫「トンズランス菌」の感染者が増えています

 

新型水虫「トンズランス菌」 

 

>>新型水虫の情報です<<
 
既にご存知のように水虫は白癬菌(はくせんきん)とよばれているカビの一種です。
 
最近、日本でも「新型水虫」の感染者が増えています。
 
新型水虫は「トンズランス菌」という種類の白癬菌の一種で正式名称は「トリコフィトン・トンズランス」といいます。
 
日本で主に流行している白癬菌は「トリコフィトン・ルブルム」と「トリコフィトン・メンタグロフィテス」の2種類でしたが「トリコフィトン・トンズランス」の方が人の皮膚との親和性が強く感染が広がっています。
 
トンズランス菌は米国やヨーロッパ、中南米では約50〜60年前から感染の被害が発生していました。
 
日本では、2001年頃から感染者が確認されるようになり、すでに数万人が感染していると見られています。
 
実は、このトンズランス菌を日本に持ち込んだのは柔道やレスリングなどの格闘技系の選手でした。
 
通常、水虫は皮膚の接触で感染しますので柔道やレスリングなどの格闘技系のスポーツは擦り傷が出来やすく皮膚と皮膚の接触が多いため感染が急増しているようです。
 
白癬菌はその種類により棲みつく場所が異なります。
 
また、感染した場所によって疾患の呼び方も変わります。従来の白癬菌は足や足の爪の中に棲みつく白癬菌で水虫と呼ばれていました。
 
しかし、新型水虫の「トンズランス菌」は足よりも「上半身や頭部にも棲みつき、更に感染力も強く」完治しにくいので、大変やっかいな水虫です。
 
新型水虫「トンズランス菌」に感染すると、顔や首などの上半身にピンク色の発疹ができて、カサカサとしたピンク色の円形状の形成を成します。
 
特に頭皮に感染した場合には、発疹の後ふやけたかさぶたになって、ふけが出たりします。
 
悪化すると頭皮が盛り上がり膿んで頭髪が円形に抜けるため「円形脱毛症」と間違えて育毛剤を塗ると更に悪化することもありますので注意が必要です。
 
また、かゆみがでないこともあり気づきにくいので医師が誤診してステロイド剤を処方され症状が悪化する例もあります。
 
皮膚を受診する際は皮膚の顕微鏡検査をしてくれる病院を選びましょう。
 
皮膚感染と言われていますが、夏の満員電車などで人と肌を擦り合わせてしまうこともありますが、その程度では感染しないようです。
 
ご心配な方は出来る限り早めに皮膚科等の専門医に相談することをおすすめ致します。
 

 

新型水虫「トンズランス菌」の予防

 

新型水虫「トンズランス菌」の予防 

 

新型水虫「トンズランス菌」に感染している人が身近にいる場合には触れ合ったりしないように注意しましょう。

 

感染している人は白癬菌をばらまいて歩いていますので白癬菌を裸足で踏むと感染の可能性が大幅に上がります。

 

毎日、体を石鹸で洗い体に付いた白癬菌を落としましょう。体に付いた白癬菌かせ皮膚の表皮に侵入するまで約24時間、傷口からは約12時間かかります。

 

特に格闘技系のスポーツをしている方は必ずお風呂やシャワーを使って洗い流しましょう。

 

感染している人は感染を広げないためにも下着や衣服などの身に着けるものを毎日洗濯して「トンズランス菌」を洗い流しましょう。

 

自分の部屋や浴室などをこまめに掃除して「トンズランス菌」の増殖を防止しすることです。

 

@「トンズランス菌」を死滅させるには60℃以上の高熱が必要
A日光の紫外線も殺菌効果はあるが弱いため「トンズランス菌」は死滅しない
B一度使ったバスマットは洗濯し交換する
C感染の疑いがある場合、極力早めに頭や体をシャワーで洗い流し清潔にする

 
体を直接触れ合う柔道やレスリングなどのスポーツをしている方は2次感染を防止するために次のことを徹底しましょう。
 
「トンズランス菌」の予防法は従来の水虫の防止法と殆ど変わりませんが、一旦感染すると治り難い特徴がありますので感染予防には注意を払いましょう。
 

@練習や試合後は極力早くシャワーで頭やからだを洗い流す
A柔道着やトレーニングウエア、使ったタオルは、こまめに洗濯する
B脱衣所、感染者の部屋はまめに掃除をする
Cタオル、バスタオルなどの共用しない
Dヘアーブラシも共用しない

 

 

新型水虫「トンズランス菌」の治療法

 
新型水虫「トンズランス菌」の治療法 
 
新型水虫菌「トンズランス菌」は頭や顔、首、胴体や腕などの上半身に棲みつくケースが多く新型水虫「トンズランス菌」に感染したと見られる部位に円形の赤い発疹ができます。
 
特に頭に新型水虫「トンズランス菌」が感染するとフケが発生するなどの症状が見られますので、早めに皮膚科で診断をうけて治療を開始しましょう。
 
トンズランス菌による水虫は、これまで日本になかったため医師が診断を間違ってしまうケースもあります。
 
炎症を抑えるステロイド剤を塗ると治らないばかりか、更に悪化することもありますので、顕微鏡や培養で検査をする水虫に詳しい皮膚科を受診しましょう。
 
新型水虫菌「トンズランス菌」への感染が確認された場合は感染の範囲や症状の程度などの感染状況を診断して軽度の場合は抗真菌薬を塗って治療がすすめられます。
 
専門医では患部の皮膚を採取して顕微鏡で観察する方法や培養検査薬に採取した皮膚を浸してトンズランス菌の感染を確認する方法などが採用されています。
 
頭部の場合は髪の毛が円形脱毛症の様に抜けることがありますが軽度であれば抗真菌薬の入った薬用シャンプーで治癒経過を観察します。
 
しかし新型水虫菌「トンズランス菌」の保菌量が多く症状が重い場合や薬用シャンプーのみでは治癒しにくい時は内服薬と塗り薬を併用して治療が行われます。
 
軽度の場合の治癒目安はおおよそ1ヶ月間程度で完治します。重度の場合は更に根気よく治療を継続することが求められます。

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