河川の汚染は化学洗剤
昔は生活排水として、残飯以外の食器に付いた食べ残しは、洗う時に河川に直接流されていました。
河川に住む魚を初めとした生き物も流れてくる豊富なエサを食べて育ち、育った魚は食卓にも並べられました。この循環は非常に合理的であったと云えます。
1955年頃の高度経済成長の時期に漂白剤などの強力な化学洗剤が開発されました。
この化学洗剤の影響で河川も急激に汚染が進みました。
この時期が本格的な河川の汚染に至る転機といって良いでしょう。
化学洗剤が河川に排出されることで下流域では白い泡が発生して、泡が空中を舞うこともありました。
河川はある程度の汚れまでは自ら水をきれいにする自浄作用をもっています。
河川の汚染の原因はさまざまですが、たんぱく質や脂肪、炭水化物などの有機物がほとんどです。
これらは、魚や微生物のエサとになり河川はきれいになります。
しかし、有機物の量が多くなると魚や微生物では処理する事が出来ず河川の汚染につながります。
さらに汚染が進めば魚も住めなくなります。
河川を綺麗にする二種類の微生物
ところで、河川に住む微生物には2種類あります。
ひとつは生きるために酸素が必要な微生物と酸素がいらない微生物です。
汚染の初期は、酸素が必要な微生物が活躍して河川の水をきれいにします。
しかし、河川の有機物が増えて汚染が進むと水が酸欠の状態になります。
水質がこの状態になると酸素が必要な微生物は生きられなくなります。
次には酸素がいらない微生物が活躍し水をきれいにします。
ただ、この酸素がいらない微生物は欠点があります。
臭いガスを発するため河川が臭くなります。
更に河川の汚染が進むと微生物だけでは処理しきれずヘドロとなって川底に堆積します。
最近では、汚染された河川の地域住民が自分達の生活用水の源泉になる河川を以前のきれいな河川に戻そうと活動をしています。
近年では、その効果もあり魚の住む河川を取り戻した地域も多く見受けられます。
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