ミネラルウォーター選びのポイント
日本の河川のミネラル分
日本の河川の水質は、アメリカやカナダ、ヨーロッパに比べるとミネラル分のマグネシウムやカルシウムの含有量が少ないといえます。
専門家の調査によると全国225河川の化学成分を調べた結果、1リットル当たりの含有量は次の通りでした。
1.カルシウム 5.0 から 9.9ミリグラム
2.マグネシウム 1.0 から 2.9ミリグラム
3.ナトリウム 3.0 から 7.9ミリグラム
4.PH(ペーハー) 6.9 から 7.2
PH値については、人間の体液は弱アルカリ性です。
よって、ミネラルウォーターもPH値が7.0から7.5が適切であるとされています。
国内の河川でマグネシウムやカルシウムなどの化学成分の含有量が比較的多いのは、利根川や石狩川などがあげられます。
それでもカルシウムが13ミリグラム、マグネシウムが3ミリグラム程度しかありません。
一方、カナダのオンタリオ湖ではマグネシウムが60ミリグラムというデータもあります。
硬度が高い地域の住民は血管病が少ない
1957年に日本の研究者が疫学調査を行い「水の硬度が高い地域、脳卒中の死亡率が少ない」という調査結果を発表しました。
その後、この論文を読んだアメリカやイギリス、カナダの研究者も揃って河川の水質の疫学調査を行い、脳卒中のみならず、脳や心臓の血管の疾患との関係が深いことが発表されました。
疫学調査の一例では、硬度が高いコロラド川では、血管の疾患が低く、硬度の低いコロンビア川やオハイオ川では高いといった具合です。
ミネラルウォーター志向が高まった背景には、以上の疫学調査の結果がアメリカの週刊誌「タイム」に掲載されたことにあります。
また、日本では1985年に環境庁が全国の「名水100選」を指定したこともきっかけになり、国民の水に対する関心が一気に高まりました。
コンビニなどでヨーロッパや日本の名水と呼ばれるミネラルウォーターが販売される様になりました。
しかし、食べ物を買う際には、賞味期限や保存料の使用のチェックはしても、ミネラルウォーターを購入する際には、無頓着に購入している方か多いのではないでしょうか。
2014年からサプリメントや健康食品の機能性表示が規制緩和
ボトル入りのミネラルウォーターが初めて販売されたのは、アメリカボストンといわれています。その時期は18世紀末、1700年代の後半ですから、日本は江戸時代末期のことです。
発売当初はガラス容器が使用され、その後ガラスボトルの製造コストが下がったことから、世界にも一気に広がったようです。
ヨーロッパでは、ミネラルウォーターを生活習慣病の治療に用いるケースもあるため、薬理学や臨床医学的に証明されていれば、表示することが可能です。
日本ではこれまで「血圧が気になる方へ」「強い骨をつくる」などといった機能性の表示は、国が認可する特定保健用食品や栄養機能食品だけに認められていました。
しかし、特定保健用食品や栄養機能食品以外のサプリメント、ミネラルウォーターなどの効果・効能については、薬事法の関係を表示することができませんでした。
2013年にサプリメントや健康食品の機能性表示に関しての規制緩和が閣議決定され、2014年から化学的な裏付けがあることを前提として、サプリメントや健康食品にも機能性の表示が認められるようになりました。
購入する際に参考になりそうですが、メーカーや販売会社の偽装表示も考えられるため、名の通ったメーカーのミネラルウォーターをお求めになった方が良いでしょう。
ミネラルウォーター選びの4つのポイント
◎ミネラル分の含有量
ミネラルの多いものを選ぶ。
◎PH値
体液に近い弱アルカリ性の7.0から7.5ミリグラムの水を選ぶ。
◎殺菌方法
日本の水は加熱殺菌処理が義務化されており、ミネラル分が減少し味覚も落ちる。
ヨーロッパのミネラルウォーターは無殺菌が基本である。水源地周辺は厳重な衛生管理が行われている。
◎メーカー
やはり、名の通った大手メーカーのミネラルウォーターの方が製造方法や成分表示などに信頼がおけるので安心できる。
ミネラルウォーターの化学成分の知識を持ち、購入の際にはチェックしましょう。
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