日本食と軟水の密接な関係
世界的では、日本食の味覚はもちろん、健康面でも評価が高く、日本食ブームが続いています。
日本食が世界遺産に登録された事により、更に注目されるようになりました。
水には、軟水と硬水がありますが、その基準は水に含まれているカルシウムやマグネシウム等のミネラル分の含有量により、軟水か硬水かが決まります。
ミネラル分の含有量を表す硬度が、200度以上の水を硬水、200度未満の水を軟水と区分けされています。
日本では、地層や地形の状態からミネラル分が少ない軟水に恵まれていますが、クセが少ない水であり、料理に適した水と云えます。
日本食は、煮物や汁物にしても、食物の素材の特徴や風味を最大限に生かして調理されます。
そのためにはマグネシウムやカルシウムをあまり含んでいない軟水でなければなりません。
むしろ逆で、軟水だから、素材を生かした日本料理が発展したと云えます。
一方、ヨーロッパでは、ミネラル分の含有量が多い硬水に恵まれています。
硬水を料理に使うとカルシウムやマグネシウム等のミネラル成分がたんぱく質を硬くするため、料理には余り適していないと云われています。
硬水に恵まれたヨーロッパの西洋料理の特徴は、水を使わず、野菜や果物に含まれる水分を利用したり、水の代わりにワインや牛乳を使います。
昔から、フランスでは日常、水の代わりにワインを飲んでいると言われていますが、飲料水を確保するより、地下深くまで根を張り巡らせて、良質の地下水を吸い上げて育ったブドウから発酵されたブドウ酒の方が安価に入手できるのです。
また、硬水は心臓病や血管の疾患など生活習慣病の治療としてミネラル水が使われている側面もあります。