世界では20億人に水不足が深刻な状況
「世界で最も貴重な物質は水であり、最も価値のある資源である。水の無駄遣いや止めて、節水に心がけよう。手遅れになる前に」と警告したのは、旧ソ連の元大統領ゴルバチョフです。
地球は青かったの言葉は、ソ連のガガーリンですが、地球の70%が海で占められているにもかかわらず、飲料水などの生活用水として利用できる水は全体のごくわずか1%といわれています。
人は生きていく上で水は必要不可欠であり、水なくしては生きていくことはできません。
日本では水不足はまれなことて、年によっては空梅雨で降雨量が少なくダムの貯水水位が下がり取水制限をすることがはある程度です。
近年では逆に集中豪雨による水害が年々深刻度を増しています。
しかし、世界に目を向ければ、特にアジアを中心に水不足が深刻化し、しかも常態化しているのです。
2002年の世界保健機関の調査では、驚くべき数字ですが、水不足の人口は世界の人口60億の3分の1の20億人と報告されています。
水不足は、人の生命の維持に深く大きくかかわっているだけに、私たち日本人も世界の状況を知っておく必要があります。
不潔な水で死亡する人は子どもを中心に400万人
更に生活用水としての安全な水を得られない人口は11億人という調査結果もあります。
アジアでは、インドやバングラデシュなどのようにトイレなどの下水処理の設備が整っていない国も多く、感染症などが蔓延しているのです。
トイレの排水は工場排水などと一緒に河川に流され、その汚染された水を生活用水として使わざるを得ないのが実態です。
先進国では水道、下水道が整備され安全な水が確保されていますが、この技術が後進国、発展途上国に伝授されなかったことが原因でもあります。水を確保できない国では発展した例はありません。
これらの国では、免疫力が弱く体力のない多くの子ども達がコレラや腸チフスなどに感染して命を落としています。
バングラデシュでは汚染水が原因の感染症で毎年10万人以上が死亡しているといわれています。
バングラデシュでは、過去に井戸水が長期的に高濃度のヒ素に汚染されて飲料水として使用していた住民が内臓のがんや皮膚病になりました。
世界の水にかかわる死者は年間で400万人ともいわれています。
清潔な環境で整備された日本では考えられないようなことが起こっているのです。
この様に特に発展途上国では生活用水や工場用水が少なくことが問題になり、健康被害につながっているのです。
生活用水が少ない中で、更に工場が水を使えば、水が汚染され人々が細菌やウイルスなどが原因の感染症につながり安全に暮らすことができません。
また、工場が水を使って物を製造出来なければ、国は豊かになれないという悪循環に陥っている状況です。
水不足に世界各国が強調し取り組んでいます
世界で初めて水の問題が取り上げられたのは1977年、アルゼンチンで開催された国連が主催した「水会議」でした。
その会議で「国際水供給と衛生の10年」と題し水問題の国際的に取り組む事が決定されました。
その後、1992年1月にアイルランドで開催された「水と環境に関する国際会議」では水問題の具体的な解決策が打ち出されました。
同じ年の12月には国連総会にて毎年3月22日を「世界水の日」とする事が決定され、未来に向けて水問題の解決のために国際的に取り組むことが打ち出されました。
そして世界銀行、ユネスコが中心になり「世界水会議」を設立し、3年に1度3月22日を含めた数日間の日程で世界水フォーラムを開催しいます。
世界水フォーラムの参加国、参加人数も増え続けて2006年のフォーラムでは149ヶ国約2万人が参加し世界的にも水問題への意識が高まっています。
以上のように、日本では深刻さがない水不足が広く世界に広がっています。毎年400万人もの子どもたちが健康被害を起こし死亡している現状からも、家庭や仕事場で個人が出来ることを進んで行う必要があります。