体に無理のないダイエットを心がけましょう
ダイエットの意味と胃から分泌される食欲促進ホルモン「グレリン」
ダイエットの本来の意味は「減量」や「食事制限」ではありません。
ダイエットには、「方針」や「計画」という意味があり、自分で立てた計画を最初の方針通りに、すすめて目標に向かって行うことです。
転じて、食事などに関しては「自分で計画した食事」「食事を通して規則正しい生活」などを行うことを意味するようになりました。
ダイエットと聞くと、直ぐに痩せることばかり考えてしまいます。
しかし、太っている人が痩せること、痩せている方が健康的太ること、どちらもダイエットといえます。
食事によって体の状態を、より良くすることが大切です。
体に合わない食事をすることや極端な食事制限により、体に害を及ぼす様な減量は本来の意味のダイエットではありません。
これまでは、お腹が空いたときに、空腹のサインをだすのは、脳だと考えられてきました。
しかし、最新の研究で胃からホルモンの「グレリン」が分泌されて、その信号が脳に伝わり、食べる準備をするように命令が行くことが解明されました。
空腹になるとグレリンが分泌されて食欲がわくのです。
睡眠中にもグレリンが分泌されますが、グレリンが成長ホルモンの分泌を促進させています。
グレリンはお肌の新陳代謝を促進するためにも大切なホルモンです。
健康的なダイエットには、まず基礎代謝を高めましょう
ダイエットと基礎代謝はとても深い関係にあります。
基礎代謝とは、活動しない状態、つまり呼吸をしたり心臓を動かしたり、人が生きるために必要最低限のエネルギーのことです。
何もせずに、横になって寝た状態で消費されるエネルギー量のことを基礎代謝といいます。
一日の総消費エネルギー量の約7割が基礎代謝で消費されます。
基礎代謝を無視してむやみやたらに運動をしてもダイエットは成功しません。
筋肉量が増えて基礎代謝が高くなれば、効率よくダイエットすることができます。
基礎代謝全体に筋肉が約3割を占めていますので、筋肉量を増やすことで基礎代謝を高めれば食べても太りにくい体質になります。
また、運動した時には、効率よく脂肪を燃焼してダイエットすることができます。
個人差はありますが、筋肉量が減少する40歳ころから基礎代謝も急激に減少します。
基礎代謝を高めるには、筋肉を増やすことが重要になります。
エネルギー代謝の目安として、筋肉が1kg増えると、一日に消費するエネルギーが約50キロカロリー増えます。
360日として計算すると、年間で約18000キロカロリーになり脂肪約2.5kgに相当します。
健康的なダイエットには、基礎代謝を高めることが重要です。
1.基礎代謝を高める運動で筋肉を増やしましょう
日常生活の中で、小まめに動き足腰や体幹を意識して鍛えましょう。
駅などでもエスカレータを使わず階段を利用しましょう。
職場でも積極的に動き筋肉を意識しましょう。
筋肉を付ければ基礎代謝が高まり脂肪が付きにくくなります。
2.バランスの取れた食事をしましょう
ダイエットのための極端な食事制限はマイナスになります。
3食を規則正しくしっかり食べることが大切です。
太らない生活習慣として以下の事を守りましょう。
◎食べた後にすぐに寝ない。
◎ゆっくり食べる。
◎3食、規則正しく食べる。
◎間食しない。
筋肉量を増やすためには、良質なタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)をバランス良く摂取しましょう。
また、基礎代謝を高めるビタミンB1、B2、B6、B12をしっかりと摂取しましょう。
ヨウ素やアルギニンにもエネルギー消費を促進する働きがあります。
ヨウ素を含む食品として、乾燥こんぶ、乾燥わかめ、乾燥ひじき、海産魚類等に多く含まれます。
アルギニンを多く含む食品として、牛乳、大豆、油揚げ、高野豆腐、納豆、玄米、味噌、エビ、カニ、貝類、カツオ、マグロ、ごま、チョコレート、きゅうり、落花生、レーズン等があげられます。
健康的にダイエットするための食事のポイント NO.1
「エネルギー源となる食品をバランス良く摂取」
一般的にダイエットとは、単に太りやすい食事を減らすことだと考えられがちです。
健康的なダイエットは、食べ物のエネルギーのバランスを重視することが大切です。
摂取エネルギー量の理想的な割合は、糖質50から60%、脂質20から25%、タンパク質15から20%といわれています。
日本人の脂質の摂取量は、25%を超えています。
さらに肥満の方は、脂質が30%を超えている場合も多いようです。
健康と生活習慣病の予防の観点からもエネルギー源となる栄養のバランスを考慮して、摂取することが大切です。
昔に比べて外食をする機会が増え、和食よりも欧米食にかたよっています。
外食での料理の特色は、脂肪が多く含まれるものが多いと言えます。
例えば、油を多く使用する揚げ物やフライ以外にも、ドリア、スパゲッティ、オムレツなども油の使用量が多い料理です。
一方、和食を中心とした食事では、魚介類や豆、大豆製品などの植物性のタンパク質は低エネルギーで多めに摂取することができます。
和食を中心にした食事は、脂肪の摂取量を減らし、エネルギー源となる食品をバランス良く摂取できるので、健康的なダイエットにオススメてす。
「野菜の摂取量を増やす」
野菜は、エネルギー量が低く他の食物よりも比較的多く食べられるのでダイエットには大変有効です。
野菜サラダは、煮野菜に比べて実際に食べる量が少なくなります。
ここで注意したいのは、せっかくの野菜を多く摂取しても、野菜にかけるドレッシング類には意外にカロリーが高い物が多いのです。
マヨネーズでは、大さじ1杯で約80kcal、フレンチドレッシングの場合は約60kcalあります。
エネルギー量が低い、お酢や柑橘系を使ったり、ノンオイルドレッシングを使用しましょう。
「食物繊維系の食品を多く摂取」
ダイエットを成功させるためには、食物繊維を多く含む食品の摂取をおすすめします。
食物繊維を多く含んでいる食べ物として、穀類、豆類、野菜があげられます。
食物繊維は、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」に分けられます。
不溶性食物繊維は、主に野菜の葉や根に多く含まれており、腸壁を刺激して便通を促進する作用があります。
一方の水溶性食物繊維は、代表的な食物にキノコ、海藻、果物などがあります。
水溶性食物繊維には、胃の中で溶けると余分な脂肪を包み込んで体外に捨てる作用をもっています。
また、胃の中に食物繊維があると糖質の分解や吸収を抑える作用があります。
糖質がゆっくりと吸収されるため、急な血糖値の上昇を抑えインスリンの急激な分泌を抑えられます。
インスリンは脂肪を脂肪細胞に蓄積させる作用があります。
食物繊維を摂取することで、余分な脂肪の蓄積を抑え健康的なダイエットが期待できます。
健康的にダイエットするための食事のポイント NO.2
規則正しく三食食べる
ダイエット中と称して、朝食を食べない人を見かけます。
しかし、朝食を抜くと必然的に空腹の時間が長くなります。
体は、防衛本能を持っており次に入ってきたエネルギーの吸収を高めるように働きます。
また、1食抜いた食事の直後は、インスリンの分泌量が増えるため、脂肪細胞にも脂肪が多く蓄積されます。
空腹を満たすために、一度に沢山の食べ物を食べる事になり太る要因にもなりますので要注意です。
更に、食間が長時間となるため、不規則な間食も太る要因が増えてしまいます。
健康的にダイエットするためにも、出来る限り3食を同じ時間帯に食べる習慣を身に付けましょう。
「出来る限り夕食を軽くする」
朝食と夕食を比較した場合、朝食で摂取したエネルギーは日中の活動で消費されるため、他の食後と比べ太りにくいと言えます。
また、朝食を摂ると体温が上昇し、代謝が高まるので、エネルギーの消費も高まりダイエット効果が期待されます。
それに対して、夕食は睡眠中に翌日の活動エネルギーを蓄積しようとするため体脂肪として蓄えられます。
また、夕方から夜は、副交感神経の働きが活発となっています。
昼間よりインスリンの分泌量も多くなり、体脂肪として蓄えられることになります。
この様な体の仕組みを理解した上で、出来る限り夕食はエネルギー量の少ないものを食べるように心がけてダイエットを成功に導きましょう。
就寝3時間くらい前には食事を終えるようにしましょう。
食事の基本として、朝食はしっかり、よく噛んで食べることで、早食いや食べ過ぎの防止に繋がります。
「アルコール飲料を控える」
アルコール飲料はエネルギー量が高く、食欲を増進させるために食べすぎの要因になります。
アルコール類はダイエットには不向きといえます。
ビールはグラス1杯、日本酒ではコップ約半杯で約80kcalとなります。
飲酒時のおかずやおつまみ類は、比較的にエネルギー量の高いものが多く、飲酒する機会が多い人は摂取エネルギー量が増える傾向があります。
また、アルコールは肝臓で優先的に分解されるため、糖質や脂質のエネルギー変換が遅くなり太る原因となります。
健康的な正しい半身浴をしましょう
半身浴は寒いのでしたくないと言う意見を時々耳にします。
半身浴が寒いと感じるやり方は、間違った半身浴です。
浴室の温度を高めて、浴槽との温度差を少なくして浴室環境を整えましょう。
寒くなるに従って、浴室の気温も低くなります。
この状態で半身浴をすると、浴室と湯船の温度差が大きいため、寒く感じ半身浴の意味がありません。
また、入浴前と入浴中の血圧が乱高下し体に良くなく、事故につながる可能性も高くなります。
入浴前にお湯シャワーを壁にかけたり、浴槽にお湯を溜めた後、蓋をせずに湯気で浴室内を温めましょう。
浴槽のお湯の温度は、38から40℃位のぬるめにして半身浴をしましょう。
ぬるめの浴槽につかると、自律神経の副交感神経が活発になりリラックス効果が高まります。
しかし、ダイエットの面からは、リラックス状態で食事をすると胃液の分泌が促進されます。
その結果、食物が速く消化されるために空腹感を感じやすくなり食べ過ぎる傾向があります。
食事摂取のタイミングを考慮して半身浴をしましょう。
まだ、入浴では42℃以上の温度になると血液の粘性が高まり、血栓が出来るといわれています。
熱いお風呂が好きな方は要注意です。
脳梗塞や心筋梗塞などを起こす可能性も高まります。
全身のお肌の健康のために注意すること
お風呂に入った直後のお肌のケアも大切
入浴後は、お肌が乾燥しています。
お風呂から上がった直後は、体温が上昇しているために発汗によりお肌が乾燥しやすくなっています。
しばらくお肌が落ち着くのを待って、保湿液で末端の手足や体全体を保湿しましょう。
また、普通の状態でも不感蒸泄と言って皮膚から水分が蒸発しています。
空気が乾燥する冬場は積極的に水分の補給に心がけて下さい。
寝具や衣服は、吸収性の高い素材を選びましょう
寝具や衣類の見直しも必要です。
寝具などが化学繊維の製品は、静電気が生じやすく、特に乾燥肌の方は、痒みの原因となり肌荒れを起こします。
また、睡眠中には真冬でもコップ1杯から2杯程度の汗をかきます。
寝具は吸水性の高い綿や麻、羊毛、絹などの天然の素材にして肌への刺激を軽減しましょう。
お肌のためには、食べ物や嗜好品にも注意しましょう
食べるものでは、ブロッコリーやレモンなどのビタミンCを含むものは、コラーゲンの生成を促進させます。
また、落花生、アーモンド、ヘーゼルナッツなどのナッツ類、植物油、青じそ、抹茶、小麦胚芽などのビタミンEを含む食べ物とビタミンCを同時に摂取すると活性酸素を除去する働きがあります。
お酒類は脱水作用や発汗作用が有り、体内の水分を体外へ排出する働きが有りますので、極力控えましょう。
香辛料は体を温める作用がありますが、同時に発汗作用によりお肌の乾燥を誘発しますので注意が必要です。