腸内フローラの基礎知識

大腸下行結腸に届くプロバイオ、プレバイオに期待

 

プロバイオとプレバイオ 

 

大腸の下行結腸とは肛門の直前の腸を指しますが、この部位まで生菌のプロバイオティクスや善玉菌のエサになるプレバイオティクスが届くことで大腸の全体の環境改善が見込めます。
 
本サイトでは、プロバイオやプレバイオの食べ物が下行結腸まで届くと、なぜ健康に良いかをご紹介します。
 
超高齢化社会を迎える日本、いや日本だけでなく世界的にも先進国の高齢化は進んでいます。

 

特に認知症患者の急増が問題になっています。

 

厚生労働省では2025年に65歳以上の高齢者が3500万人、認知症患者が700万人になると試算しています。

 

加えて体の関節や筋肉の運動機能が低下し日常生活に支障をきたす「ロコモティブシンドローム」や内臓脂肪の増大を伴う「メタボリックシンドローム」、少子高齢化が進む中で医療費をはじめとする社会保障費が国の財政を圧迫する主因となりつつあります。

 

最近、テレビや雑誌にも頻繁に取り上げられている「腸内細菌」は先進各国では国家予算を投じて研究が進められています。

 

なぜならこの「腸内細菌」が体の健康と精神の健康に関連が深いことがわかってきたからです。

 

腸内細菌には人に有益か有害かの基準で善玉菌、悪玉菌、日和見菌(中間菌)の3種類に分類されていますが、これらの腸内細菌の全体の生態系を腸内フローラといいます。

 

この腸内フローラのバランスをコントロールして整えることができれば健康の維持増進や心の安定に寄与できることがわかっています。

 

具体的には腸内細菌は肥満やがん、糖尿病などの生活習慣病、また肌のシワ、うつ病にも深く関連していて更に花粉症などのアレルギーにも関わっていることが解明されています。

 

腸内には無数の細菌が存在していて悪玉菌が優位になると悪玉菌が産生する有害物質の影響で腸の働きが低下して便秘の原因になり、また潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を発症することが指摘されています。

 

腸内環境を改善するためには腸内の善玉菌を増やして弱酸性の環境にすることがポイントです。

 

 

 
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善玉菌を優位にする

 

善玉菌を優位するためには善玉菌が元気なり活動的になれば良いわけです。

 

そのためには善玉菌の好物であるエサを私達宿主が食べて大腸に届けてあげれば良いことになります。

 

善玉菌の好物であるエサはこちら

 

善玉菌が優位になると、なぜ健康に良いか

 

悪玉菌が優位になると有毒物質が産生されて腸内環境が弱アルカリ性になり善玉菌の活動が抑えられます。

 

産生された有毒物質が血管や免疫系、神経系などを通じて体の健康や脳にも悪影響を与える事が解明されています。

 

善玉菌は好物のエサを代謝(食べる)する時に「酢酸、プロピオン酸、酪酸」などの短鎖脂肪酸を生成します。腸内は弱酸性の環境になって善玉菌は活動的になり増えていきます。

 

この短鎖脂肪酸こそが、私たち体の健康に様々な好影響をもたらしてくれる物質なのです。

 

生きた善玉菌を「プロバイオティクス」と呼び、生きた乳酸菌や納豆菌、ビフィズス菌などが代表です。

 

逆に死滅した乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維などを総称して「プレバイオティクス」と呼んでいます。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクス 

 

 

以前は生きたまま腸に届くことが大切だと考えられていましたが、最近の研究では種類によっては死菌の状態で腸に届いたほうが花粉症の改善に効果があったという研究報告もあります。

 

 

大腸の説明の図 

 

またプロバイオティクスやプレバイオティクスにしても上行結腸に留まらず下行結腸まで届いてくれることが、より高い健康効果が期待できると考えられています。

 

しかし、口から入った食べ物は食道から胃を通過して小腸、そして大腸へと行きますが、その間、非常に強い胃酸や胆汁などの消化酵素の影響を受けます。

 

プロバイオティクスの食品では納豆菌は耐酸性、耐熱性の両方に優れ、効率よく大腸に届くとする研究もあります。
 
また、下行結腸まで届くプレバイオティクスの食べ物としてスーパー大麦が注目されています。

 

人の大腸の長さを計測したマサチューセッツ総合病院ハーバードメディカルスクールの研究では日本人の平均は154.7cm、アメリカ人の平均は158.2cmでした。

 

日本人の大腸は長いといわれてきましたが、決してそのようなことはないようです。

 

長い腸内で短鎖脂肪酸をより多く産生するためには、肛門の直前である下行結腸まで確実に届くプロバイオティクスやプレバイオティクスに期待したいところです。

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